ESDとは
「ESD」とは、「持続可能な発展のための教育:Education for Sustainable Development」の英略字です。
そこで、「持続可能な発展」とは何か、そこから考える必要があります。
 
現代社会は、地球温暖化や酸性雨などの環境問題、人権侵害や異文化衝突といった社会問題、貧富格差などの経済問題など、互いにつながりあう様々な課題に直面しています。
特に、これまでの大量生産?大量消費を中心に据えた開発?経済発展は、廃棄物や大気汚染などの公害により環境を悪化させ、自然破壊や、地域社会の荒廃、さらには他の地域の貧困化を推し進めるなど、深刻な問題を引き起こしています。
そこで、我々が直面する様々な課題を解決し、世界中の人々や将来世代のみんなが安心して暮らすことのできる社会をつくるため、公正な社会の実現や自然環境との共生を重視した新しい発展のあり方が求められています。これが、「持続可能な発展」と呼ばれるものです。
「持続可能な発展のための教育(ESD)」とは、上記のような社会の課題と我々の身近な暮らしとを結びつけ、新たな価値観や行動を生み出すことを目指す学習や活動です。社会の課題を解決するためにできることを自分自身で考え、実際に行動する。
また、豊かな自然といのちのつながりを感じたり、地域に根ざした文化や人びとと触れ、人と自然、人と人との共存や多様な生き方を学ぶことが重要となります。
つまり、「ESD」は単なる知識習得ではなく、学習者みずからが価値観を見つめ直し、よりよい社会づくりに参画するための力を育むことを目指した教育といえます。 
ニュース紹介
ESDに関する国際的?国内的動向
| 年 | 国際的動向 | 国内(日本?北九州)の動向 | 
|---|---|---|
| 1992 | ■国連環境開発会議(リオデジャネイロ)
 アジェンダ21の中で持続可能な開発のための教育の重要性が指摘される。  | 
|
| 2002 | ■持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ)
 世界首脳会議実施計画に「ESDの10年」に関する記述を盛り込む 
■国連総会 2005~2014年を「国連ESDの10年」に採択  | 
■ヨハネスブルグサミットに北九州市長と女性代表が政府代表団顧問に選ばれて参加 | 
| 2005 | ■国連総会
 ユネスコが策定した「国連ESDの10年国際実施計画」を承認。  | 
■ESD関係省庁連絡会議を設置 | 
| 2006 | ■第1回RCE国際会議開催(横浜)(以降毎年開催) | ■ESD国内実施計画の策定 ■北九州ESD協議会設立(44団体) ■RCE北九州が国連大学から認定される(日本で4番目)  | 
| 2008 | ■学習指導要領等の改定(幼?小?中) ■教育振興基本計画の策定 ■ESD国際フォーラム開催(国連大学)■北九州ESD活動アクションプラン作成  | 
|
| 2009 | ■ESD世界会議(ボン)
 ボン宣言を採択。  | 
■学習指導要領等の改訂(高?特別支援学校) | 
| 2011 | ■ESD国内実施計画の改訂 ■OECDがグリーン成長に関する世界のモデル都市として北九州市を選定  | 
|
| 2012 | ■国連持続可能な開発会議(リオ+20)(リオデジャネイロ)  宣言文に2014年以降もESDを推進することが盛り込まれる。  | 
|
| 2013 | ■ユネスコ総会 ESDに関するグローバル?アクション?プログラムを採択。  | 
■「第6回アジア太平洋RCE地域会議/持続可能なライフスタイルに関する国際シンポジウム~ESDの視点から~」開催」 | 
| 2014 | ■持続可能な開発のための教育に関するユネスコ世界会議 「国連ESDの10年」の最終年に日本で開催(名古屋市/岡山市)  | 
|
北九州ESD協議会(2014)「北九州ESD 持続可能な開発のための教育」(リーフレット)をもとに作成

